”僕は大好きなものしか絵にできません。

そしてその絵は人に見せるというより自分に見せるために描いているのだと思います。

完成したところも想像した事はありません。何時もどんな絵になるかを楽しみにしています

僕の思いのようなものがどうしても表情に出てしまいます。

時には楽しそうな笑顔が、寂しそうな笑顔になったりします。

本当は小さな子供の嘘のない笑顔を描きたいのですが、その時は気づかなかった自分の思い

(大きくなっても、こんな顔で笑えるだろうか?) と言うような思いが絵に出てしまうのだと思います。

僕が今一番幸せな気持ちを感じられるのは、子供の楽しそうな笑顔です。

もし自分に絵を描く意図のようなものがあるとしたら、その笑顔をありのまま描くことだと思います。

しかし今の僕には描く事ができそうにありません。

多分僕の心が子供のように笑えるようになるまでは無理なのでしょう”- 田中祐一